ボードゲームと馬と

ゲームの感想とか馬の話とか

”じゃない方”の話。ボードゲーム「兵馬俑」の紹介

ボードゲームなみなさまこんばんは。まるぃもです。 最近会ってないね。またみんなでゲームしたいね。

adventar.org

今年もこの時期だけ記事を書きます。 いつもアドベントカレンダーを作ってくれるぐらちゃんありがとう。 これがなければ僕はボードゲームの記事を書く機会がないわけだから、今年も存在してくれてありがとう。 察知するのを忘れて気づいたら埋まってたよびっくりした。

昨日は誰

アドベントカレンダー前日19日は、オンラインで爆誕したグルームヘイヴンコミュニティ(3人)のひとりKana...氏。 Kana...の「...」の部分はなんなんですかねMy new gear...の「...」みたいな感じなんですかね。 いつもストイックにゲーム遊びすぎててこいつ本当に実在するのか???と思っていたらこないだ初めて実在を確認できました。 今年もハンドレッドのプレイ済み94でだいぶ強そう。ツイートも毎回強そう。強そうじゃなくて強いんだよな。

kanana82.wixsite.com

明日は誰

そして明日は僕が勝手に”約束の地”と呼んでいる全てのボードゲーマーが憧れる一軒家に「ボードゲーム用地下室」の実装に成功した偉人こと豊田えり氏。 note.com あの家、毎週どころか3日に1回くらい誰か泊まっててめちゃくちゃビビるんだよ。で、だいたいゲームしてんの。ずるい。 なんかゲームの合間にプラスチックの容器を生成してるイメージがある。 そうこれだ。みんな買ってくれ。たぶんもう手作りはしてないからトヨエリエキスとかは入ってなさそうだが。買ってくれ。 www.korokorodou.shop

記事に入るまでが長い。アドベントカレンダーの宿命だね。 いや僕の書き方の癖だよ反省しろ。

じゃないほうのゲーム「兵馬俑

みんな兵馬俑知ってる?知ってるよね?知らない? ティルトゥムじゃない方だよ。ルチアーニ&タッシーニじゃない方。そう。「じゃない方」だよ。

ちなみにティルトゥムのことが知りたくなったら表のボドゲ紹介(こちらは裏という認識)アドベントカレンダーでしのさんが書いてるから、みてきて。

see-know.hatenablog.com

最初意図してなくて、記事書きながら「同日ティルトゥムやんけ!」となってめちゃくちゃびっくりしたわ。

脱線した。そう、同期2人入社で「○○じゃない方」と認識され続けてきた僕にとって、この出会いは運命だった。 同期はめちゃくちゃすごいから僕自身が「じゃない方」なのは別にいいんだけど、商品で「じゃない方」になるとつらいよね。 出版量は増え続ける一方でゲームの値段が上がる昨今、どうしても購入ゲームは選択を迫られがちだ。 今年ももう終わるが、最後に一番面白いゲームがきたのではと名高いティルトゥムの裏で、 タナカマさんがひっそりと(いやぜんぜんひっそりじゃないと思うけど)売り出したのがこちら。

よくみてくれ。そうこいつの価格だ。トゥルティム9,350円に対して兵馬俑11,000円だぞ。 今大人気売れっ子作家の最新作500円と、隣によく知らん(ネメシスは知ってる?マジ?オタクじゃん)作家の600円が並んだら前者買うやろ。 見た目こそ派手そうだけど、色がね。基本茶色だしね。ボードゲームっぽいっちゃぽいんだけど、色がもう玄人向けなんだよな。

ペイントしてる人もいるらしい。kana氏...。でもね、普通はここまでやらないんじゃ...

そんなこんなでぜんぜん売れてなさそう(だから失礼だやめろ)なこいつがいかに面白いかについて話したい。 2000字書いても本題に辿り着いていない?正気か?

アクションホイールがいい

我々はあまたのアクションホイールを見てきた。

めちゃくちゃかっこいいのに収束性の悪いアレとか、

面白いけど複雑すぎてぜんぜん制御できないアレとか。

いろいろ見てきたわけだけど、兵馬俑のシンプルに3段って実はあんまり見なかった気がする。

これいいよね。内側から外側に向かってアクションしていくんだけど、事前に1マスだけ回転させられるから、選択肢はたくさんあるようでそこまでない(6択のうち埋まってない2〜5択くらい)。しかもやりたかったアクションを埋められたらどうしてもやりたいものは1マスずらして別のアクションと組み合わせればいいわけだから、「本当にやりたいことができない」というストレスはちゃんと回避されてる。これよくできてる。 段差になっている=戻れない、というのもいいんだよね。最近けっこうアクション順序ガバガバなゲーム多いけど、この上でやったアクションに戻れない仕様はけっこう効いていて、我々みんな粘土焼いて兵馬俑をつくりたいんだけどこの粘土を生成するところがそんな簡単にはできなくしてる。 フィギュアに目がいきがちだけどこのアクションホイールめちゃくちゃ効いてる気がするから、ぜひその目で確かめてほしい。 前述した思考の絞り方とかストレスの減らし方が「現代的〜」って思う。昔のゲームってこういう配慮ないよね。

"その他のコマ"がかっこいい

みんなが知ってる兵馬俑コマ。これですよね。 弓とか剣とか槍とか持ってる。これもかっこいい。 ちなみに上野の森美術館でやってる「兵馬俑と古代中国」では、 この兵士にプロジェクションマッピングやってるらしい。ヤバくね...?

いやそして、さらに「兵馬俑と古代中国」を進むと、なんとこのゲーム展示されてるらしい...正気かよ...行かなきゃ...。

また話題がそれた。

兵士俑コマの他にも百戯俑コマっていうちょっと特殊能力を持ったコマがあってね。これがカッコイイうえに効いてるんすよ。 基本的には列と行で毎回得点計算をしていくんだけど、そこに噛みやすくする馬俑コマとか、 マジョリティで基本きまるんだけど同点になりがちなこのゲームで必ずタイブレークを勝たせてくれる跪射俑コマとかね。 なんかこう密集して置かれていくことが意味を持っていくというか。 ゲームしてたら自動的になんか見たことある兵馬俑の形になってるのが「めちゃくちゃよくできてるやんけ」と思わずやりながら呟いた。

粘土は乾く

そして、一番のこのゲームのポイント資材である「粘土」。 兵馬俑作るには基本的に粘土を焼くしかないんだけど、この粘土がラウンドが終わると乾いてしまうことで、ほとんど持ち越せないんですよね。 でも、乾いてしまった粘土はあるアクションで復活(もう一度全て湿らせる)するんですよ。この復活って概念がすごい。 これまでのゲームでは持ちすぎた資産は腐ったら「使えなくなる」のが当たり前だったけど、アクションを経て「復活する」ように作ってあるのはめちゃくちゃ面白いなと。 資材復活にもアクションを使ってしまうのでめちゃくちゃ強いわけじゃないんだけど、やはりここも「せっかく頑張って集めた資材が全部死ぬ」という理不尽さがだいぶ軽減されてて、これも現代的なストレスの削りかただなあと思った。随所にこういうイマ風のルールテクニックというか、不快にさせないための心遣いを感じるのがいいんだよな。

忘れ去られる「じゃない方」の名作たちへ

最高だったでしょ?なんで売れてないのって思うでしょ?? メモ5点?いいじゃん。感性の違いだよ。

でも、物事はタイミング。 ドミニオン大賞の年にパンデミックがいたのも。 ケルト大賞の年にストーンエイジアグリコラがいたのも、タイミング。 このへんの力がありすぎる作品は頑張って世に普及されてきたわけだど、 4つの評議会とか、トランスアトランティックとか、(あ、トランスアトランティックについては↓を)

note.com

ヘヴン&エールとか、マラカイボとか、もうみんな忘れかけてるでしょ??

でもね、もっと”じゃない方”をね、たまにはまた遊ぼうよって話です。 ”じゃない方”もね、けっこういい奴いるよ? 話してみたら、意外といい奴かもよ? だから仲良くしようね!!!!

ほんじゃ、来年もよろしく。 よいおとしを。